
今回紹介するのは「神無月の巫女」です。原作に介錯氏、柳沢テツヤ監督らが制作した二人の少女と一人の少年の三角関係をメインに描いたロボット作品です。
「まほろばの村」の「乙橘学園」に通う高校生「来栖川姫子」と「姫宮千歌音」、そして姫子に恋する「大神ソウマ」の3人は平和な学園生活を過ごしていました。
16歳の誕生日を迎えた姫子の身体に異変が起き、更に不気味な日食が世界を覆いました。
それは太古の時代、「剣神アメノムラクモ」と2人の巫女の手で封印されていた邪神「ヤマタノオロチ」の復活を意味しており、 オロチとその配下「オロチ衆」は世界滅亡の為、最大の障害である巫女たちの転生態である姫子と千歌音の命を狙い始めます。
ソウマもオロチの血に覚醒してしまいますが、愛する姫子を守るため、自ら呪縛を解いて凶悪なオロチ衆達との戦いに身を投じる事を決意します。
今作はロボットアニメでありながら、ロボ要素が薄かったり、百合要素があったりと人を選ぶ作品です。
姫子と千歌音の関係性が物語のメインとなっており、そこに力が入っているため、そこを気に入るかどうかがハマれるかどうかの分かれ道です。
神無月の巫女の世界の月には邪悪を封じる神の社(やしろ)があって、この社が崩れ落ちてしまったら、空に黒い太陽が登り、人の世を滅ぼす闇の邪神オロチが蘇ってしまいます。
神であるオロチは復活してしまったら何者を以ってしても滅ぼす事はできません。二人の巫女が蘇らせる神、荒ぶる剣神「アメノムラクモ」を以ってのみ、月の社に封じる事ができます。
陽の巫女と月の巫女とは輪廻の輪、転生を繰り返して剣神に寄り添う清き剣の乙女たちの事です。また、アメノムラクモに二人の巫女がいるようにオロチにも心に闇を抱き、人の世に仇なす八人の信徒がいて、それがオロチ衆です。
陽の巫女と月の巫女は何度も転生を繰り返しながら月の社を守っている訳です。
姫子は弱気な引っ込み思案で、大人しくて優しい少女。陽の巫女としては頼りなくは見えますが、好きな人が自分のために危ない目に遭う際は自分の身を顧みない勇気を見せる子です。
学園の人気者であるソウマや千歌音と近しい仲のため、周りから疎まれる事もありますが、明るく振る舞える芯の強い子でもあります。男性としてソウマを好きな気持ちもありますが、次第に千歌音の想いにも気づく事になり、彼女の心は揺れ動かされます。
ソウマは姫子とは幼馴染の、真っ直ぐで優しい、熱血漢の少年。
大神の家は代々、月の社に仕えていて巫女を導き、剣神アメノムラクモの覚醒を手助けする神官の末裔です。
しかし、ソウマは大神の家の者ではなく、幼い頃に引き取られた養子でオロチの一員。姫子たちにとって、本来ソウマは敵なのですが、好きな姫子のために例え八つ裂きにされても、心が砕けても必ず姫子を守ると決意し、オロチと敵対する道を選びます。
ソウマはこのように主人公のような設定なのですが、悲惨な目に遭う事や報われない場面が多く、百合に挟まる男キャラのため、ファンたちからは「かわいソウマ」と言われていました。
ですが、悲惨な目に遭いながらもブレずに姫子を守り続ける彼の姿勢は間違いなく、見返りを求めないヒーローのものだったと思います。
月の巫女である千歌音。彼女は序盤の頃は姫子への愛情を抑えていた、または「私はあなたの何だろうね?」と思い悩む少女です。
彼女はソウマと仲良くする姫子を見て、「姫子が笑顔でいてくれたらそれでいい」と言い、姫子の前では優しく振る舞います。
ソウマとデートをする事になった姫子を応援するために父からもらった大切なワンピースを「姫子に似合うから」、と渡して衣装選びをしたりと、表向きでは二人の仲を応援していますが、一人になった途端、自分が行った行為に苦しみ、胸を痛ませる展開が多々ありました。
神無月の巫女は千歌音に感情移入できる描写がよく描かれていて、今作の評価が高いポイントの一つとなっています。
序盤の頃に彼女が姫子を励ますために言った、「一つの貝殻は必ず二枚ぴったり合うようになっていて、誰もが必ず貝殻のようにぴったりと合う人が存在するはずだ」、という例え話も注目ポイントです。
果たして、姫子たちはオロチを食い止める事はできるのか?そして、恋の行方は?気になった方は是非見てみて下さい。それでは!