
今回紹介するのは「ロックマン8(出月こーじ版)」です。プレイステーションまたはセガサターンで発売されたロックマン8を題材とし、コミックボンボンにて連載していたコミカライズ作品です。
それは何なのか?何のために存在するのか?遥か宇宙の彼方で鬩ぎ合う二つの物体がありました。
一方は青、そしてもう一方は黒。
この闘いはもうどれくらい続いているだろうか?互いに傷つき、傷つけられ、尚も闘いは激しく増していきます。
そして、それらはまるで引かれるようにロックマンのいる地球にやって来ます。
一方、子供たちと仲良くサッカーをして遊ぶロック。
ロックのサッカーの才能は凄まじいものでこれならロボットサッカーリーグも夢じゃない!とロールちゃんも太鼓判を押します。
そんな中、ライト博士は世界がまたロックを必要とする時が来るかもしれない、とサッカー好きのロックに合わせた新たな武器チップを造っていました。
そんなライト博士の予感はすぐに的中。ロックマンのライバル、フォルテが闘いを仕掛けて来ました。
已む無くフォルテと闘うロックマン。
そこに謎の隕石が二つ落下して来ます。
フォルテを退けたロックマンは急ぎ、隕石が落ちた地図に載っていない島へと調査に向かいます。
ロックマンの漫画は名作が多い、その内の一つであるのが今作。
ロックマンの漫画を1から7までは池原しげと先生が描いていたのですが、8からは出月こーじ先生にバトンタッチされました。
作風としては8ボスたちは基地で待ち構えている方式だけでなく、街で暴れているところをロックマンが出動するパターンがあったりと漫画ならではの遭遇パターンが描かれました。
ロックマン8の販促漫画ではあるものの、今作のロックマンは経験値リセットされておらず、ちゃんと1〜7を経てきたロックマンなんだよ、という事が描かれています。
例を出すと7で登場したロックマンとラッシュが合体したスーパーロックマンになったり、ガッツマンやコサック博士、カリンカなどの8には出て来ない要素を出したりしています。
出月先生はロックマンの事は名前しか知らなくてゲームはやった事がなかった方なのですが、ロックマンに関して勉強してきた事が伝わって来ますね。
また、ロックマンはそのボスの弱点武器を使えば楽に倒せる要素があるのですが、今作は演出重視であまり弱点特殊武器には頼らず、知恵と勇気でボスを倒したりします。
弱点武器を使うとしてもそれらしい理由がつけてあったりと、作中でリアリティを出しながらロックマンは戦っていきます。
今作ロックボールというロックマンが最初から持っている特殊武器があるのですが、それに合わせて出月版ロックマンはサッカーが得意という設定になっています。
ボールに強力な回転をかけると空気抵抗でボールが曲がり、思い通りにシュートが曲げられる、と言った実際のサッカー知識を交えてロックマンが戦いに活かしたりします。
ロックマン8のボスたちは声優もついてて、動きも多彩で初めから個性が強いのですが、それでも出月先生の解釈が加わって更に個性に磨きが掛かっています。
ボスたちは全員ではないですが、破壊されずに改心するボスもいたり、中には神秘的な退場の仕方をするボスもいてバリエーションが豊かになっています。
ロックマンと宇宙からやって来たデューオの正義に対する価値観の違い、対比も描かれているのも特徴。
悪は何度も蘇り、その度平和は脅かされるから悪の存在は完全に断ち切らないとならない、と考えるデューオ。
悪でさえ、同じ地球に住む仲間。例え、悪が何度現れたとしても、求めるのは悪を滅ぼす鬼のような強さではなく、悪が何度現れようと悪には絶対に負けない強さを抱き続ける、と考えるロックマン。
このように、二人の正義のあり方の違いが描かれてもいます。
また、次作の「ロックマン&フォルテ」も出月先生が描くという事で「キング」率いるボスたちが先行登場して暴れていたりします。
実は当時、今作は次作のゲームが発表されたので予定よりも早く終わる事になりました。それで単行本化されてない未収録の話も4話もあったんですね。
それから大分経って今作が復刊する事になり、未収録分は無事に収録され、更に最終回には加筆修正されて20年と長き時を経て、やっと無事に完結する事ができて読者の手元に届きました。
出月版ロックマン&フォルテも紹介予定。気になった方は是非読んでみて下さい。それでは!