
今回紹介するのは「ゲッターロボ」です。石川賢先生が永井豪先生と共同で制作した始まりのゲッターロボです。
かつて、地上を支配していた爬虫類は自然の力で滅び去ったとされていました。
しかし、地下マグマに逃げ延びた一部の種族は「爬虫人類」として独自の進化を遂げていきます。
アクシデントがなければ、猿ではなく爬虫類こそが地上を統べていたはずだ、と人間を憎む爬虫人類たちは「恐竜帝国」を名乗り、地上を取り戻すために暗躍を開始します。
恐竜帝国の活動を察知した「早乙女博士」は状況によって、三つの姿を使い分ける最強の戦闘ロボット「ゲッターロボ」の建造に着手します。
しかし、強力過ぎるがゆえに普通の人間にはゲッターを乗りこなす事はできません。
早乙女博士は二人の若者、武道家の「流竜馬」と学生運動の指導者である「神隼人」に注目。更にそこから山籠りしていた「巴武蔵」をスカウトする形となり、ゲッターチームが完成。
こうして、ゲッターロボと恐竜帝国。そして、その裏で暗躍する「鬼」との激しい戦いが幕を開けます。
今作はアニメのゲッターロボと同時期に連載していたコミカライズ作品。
実は最初の頃は「ゲッター線」の設定はなかったのですが、漫画「ゲッターロボ 號」連載後半に「真ゲッターロボ 」が出た事で過去に連載していたゲッターロボとゲッターロボGが復刊する際にゲッター線に関するシーンが加筆がされました。
急に絵柄が変わるのでどこが加筆されたかはわかりやすいです。
作品タイトルがゲッターロボGになる前にゲッタードラゴンや百鬼帝国が物語に関わったりとトリッキーな事もやっています。
内容はアニメとは別物で人間対爬虫人類という形式をバイオレンスでグロテスクな作風で強調しており、竜馬や隼人、武蔵がゲッターロボに乗るに相応しい強い意思と体力を持ち合わせた者たちだという事も説得力を表現するために70年代の倫理観を取り入れられ、ワイルドに描かれています。
恐竜帝国の爬虫人類たちの、猿から進化して霊長類となった人間への怒りや嫉妬が強く描かれており、人間を原始人に退化させたり、如何にして人間を簡単に殺せるかを研究する人間虐殺研究所を作ったりと様々な形式で人間へ憎悪をぶつけて来ます。
あちらが非情な手段で向かって来るなら、こちらも非情に徹するしかない。これからは弱い人間は生きる資格がなく、人類が生き抜くためには弱い部分の原因を突き止めて刈り取るんだ、という不退転の覚悟で挑む竜馬たちの苦悩や覚悟も描かれています。
竜馬は幼き頃から強くなる事、武道こそが男の生き方だと厳しい父「流一岩」から教わって来た、見方によっては強過ぎる正義感を持った熱血漢。
一岩はかつて日本全土の武道家たちに恐れられていた人物で、誰も一岩には勝てませんでした。
一岩が道場を建てようとした際、一岩の勝つ事だけが目的の喧嘩のような戦い方を空手界に広める訳にはいかない、と周りは一岩の悪評を立てて妨害し、道場を建てさせませんでした。
結果、一岩は道場破りとなって後に命を落とします。
空手をやるのは自分より強い奴がいるからであり、そういう奴が目の前にいる限り、ぶちのめすために空手をやる。武道には強い相手が必要不可欠であり、修行とはそいつをぶちのめすために行われるものである。
空手をやるのはトロフィーをもらうためじゃない、それじゃダンスと変わらない、という強い思想を持った竜馬は空手大会に乱入し、館長たちや空手家たちに対して無双し、竜馬は復讐を果たします。
それでも満たされない竜馬の元に二人の暗殺者が送り込まれ、その二人も退けた竜馬を早乙女博士は気に入り、ゲッターチームにスカウトします。
竜馬の現代では受け入れられない思想が恐竜帝国という強者と戦い続けていく、という意思とモチベーションなどが嚙み合った訳ですね。
隼人は小学生の時点でIQ300の天才と呼ばれ、中学では体操で鍛えてスーパーマンと呼ばれた男。
当時、学生運動が盛んだったという70年代。学園の不正に対して隼人は立ち上がりました。
学生運動と言っても結局は学生の集まりなのでこういうのは大抵学園側に抑えられてしまうものなのですが、隼人のグループは強い団結力と素早い行動とで学園をきりきりまいさせ、結果的には多くの犠牲者が出ましたが、学園側が折れてしまい、隼人たちが立てこもった校舎を明け渡してしまいます。
その明け渡された校舎は「隼人の校舎」と呼ばれます。
革命はゲームでも遊びでもない。隼人が計画してやらなかった事はない。隼人たちは自分の名を売るために大臣暗殺を目論見ます。
その前に恐竜帝国が現れ、隼人は無理矢理な形でゲッターチームに所属。関心が過激な学生運動からゲッターロボや恐竜帝国に移ったのか、ゲッターチームになった後は大人しくなります。
武蔵は早乙女博士が事前に目をつけていた訳ではなく、偶然ゲッターチームに入る事になった男。
柔道や怪我の治療も得意で、東葉高校柔道部主将を担っていて、必殺技「大雪山おろし」を磨くために半年間山籠もりして身体を鍛えていました。
ところが、入ったはいいものの、反射神経も運動神経も0。知能指数も100で忍耐力もないので最初はゲッターチームには向いていないと判断されました。
しかし、武蔵は強引にベアー号に搭乗。その際の戦いで竜馬と隼人よりも丈夫な身体でスタミナの強さを発揮。
テストという形で測れなかった部分が評価されて晴れてゲッターチームのメンバーとなります。
恐竜帝国の野望はゲッターロボが打ち破ってみせる!気になった方は是非読んでみて下さい。それでは!