
今回紹介するのは「グレートマジンガー」です。マジンガーZの続編として制作された新たなるマジンガーシリーズです。
前作はこちら
かつてエーゲ海に君臨し、脅威の機械化文明を誇った「古代ミケーネ帝国」。
Dr.ヘルの機械獣を作った存在でもある彼らが、ついに地上世界支配に乗り出しました。
「闇の帝王」を頂点に「暗黒大将軍」や「アルゴス長官」といった大幹部、そして七大将軍率いる戦闘獣軍団という一大帝国に対し、敢然と立ち上がったのは「兜剣造」と「科学要塞研究所」。
その最大の戦力は偉大なる勇者「グレートマジンガー」。
マジンガーZの最大の危機を救った「剣鉄也」とグレートマジンガーは甲児とマジンガー Zの後を引き継いで世界防衛の最前線に立つと、「炎ジュン」と彼女の「ビューナスA」と共にミケーネ帝国の戦闘獣との激戦に挑みます。
果たして人類は、未曾有の危機に打ち勝つ事が出来るのでしょうか?
今作は1973年4月、マジンガーZの放送で言うと19話付近という早い段階で企画の立ち上げがされたものの、グレートマジンガーの形になるまでかなり時間が掛かりました。
最初はビッグマジンガーという名前だったのですが、うまく発想が広がらなかったのでそれは没となってしまいます。
その後、ゴッドマジンガーとなって制作は固まってきたものの、同時期に仮面ライダーXが放送され、敵の組織の名前がGODだったのが問題となります。
仮面ライダーXでのGODの意味が「Gavarnment of darkness」で敵対する大国同士が密かに手を結んで日本壊滅を狙う組織となっていました。そんな組織とゴッドマジンガーを混同されたら勇者として作られたマジンガーとしてはかなり問題だと判断され、名前の変更を余儀なくされました。
それでグレートマジンガーという名前になり、主人公・竜神達也も剣鉄也に変わりました。
企画立ち上げが早かったのがあって、マジンガーZ最終回や劇場版マジンガーZ対暗黒代将軍のような交代劇を作る事ができた訳です。
兜甲児がマジンガーZと共に戦う事で成長していくのに対し、剣鉄也はアクションとバトルを強めた戦闘のプロフェッショナルというキャラ付けがされました。
ただ、鉄也は戦闘のプロという事を意識し過ぎて甲児に比べてかなり大人びたイメージとなりました。それだと子供受けが悪いという事で放送中に22歳の年齢設定を18歳に変えたり、強烈なもみあげ「ソフトにしたりと変更されました。
スパロボなどだとあまり人と関わらず、頑固な堅物なイメージがある鉄也ですが、本編だと徹夜で漫画を読んで寝不足になったり、ジュンといちゃついたり、子供に優しかったりと割と気の良い兄ちゃんとなっています。
グレートマジンガーはマジンガーZを超えるマジンガーという事で「超合金ニューZ」というで超合金Zの上位互換として造られたマジンガー。なのであまり苦戦させる事ができず、基本的にパイロットの鉄也が肉体的ダメージや体調不良、精神攻撃を受けて苦戦させるというパターンが多くなりました。
それでグレートマジンガーは人間くさい葛藤の物語が主軸となっていきます。
鉄也もジュンも孤児で、剣造に幼い頃から引き取られて孤島で戦闘訓練を受けていたという人物たち。
鉄也は戦闘のプロという自覚があり、孤児という事に対するコンプレックスを自発的に発動してしまう事もあまりなく(53話のとある出来事ではさすがに感情が爆発してしまいますが)、基本的には戦闘に勝利する事への強烈な執念を強く持っており、コンプレックスが入り込む余地のない、強靭な精神力を持った孤高のヒーローとなっています。
ジュンはその逆で自立した人間でありながらも孤児であるという事、またハーフである事に悩み続ける女性として描かれました。
剣造も最初はシローに自分が実の父である事は言わずにおくというつらい選択をします。しかし、それでも血の繋がりというものは強いもので、シローが学校に行く際に「それじゃあ、博士。行って来まぁ~す!」と元気に挨拶してきて、剣造も少し嬉しそうに「あぁ、いってらっしゃい」と返すシーンがあります。
例え家族である事を話してなくても無意識に家族という親近感は沸いてしまうものだ、という事ですね。
心の葛藤や人間関係は鉄也たちだけではなく、悪であるミケーネ帝国にも存在しています。
ライバル心と責任回避からいがみ合う暗黒大将軍とアルゴス長官。それで闇の帝王が激怒したら、二人は手を取り合って闇の帝王の怒りを静めるために二人で協力するというまるで父親を怒らせてしまった兄弟のような関係でもあります。
七代将軍たちも互いに出し抜き合戦をしたり、武人としての誇りを保ってグレートマジンガーと一騎打ちする暗黒大将軍など、人間的な様子が見て取れる悪の組織となっています。
グレートマジンガーと暗黒大将軍の死闘はグレートマジンガーの中でも名シーンの一つとなっています。
グレートマジンガーが終わりに近づいた際、続編としてゴッドマジンガーが再び企画に立つのですが、それもまた没になってしまってガッタイガーを元にしたグレンダイザーが制作される事になりました。
その影響でゴッドマジンガーで引き続き登場させるつもりだった七代将軍が終盤になっても健在となってしまい、結果的にマジンガーZが無双する形となってしまいます。
闇の帝王も触れられずに放置される形となって何だかすっきりしない終わり方をしてしまうのも残念なところです。
君と一緒に悪を討つ!気になった方は是非見てみて下さい。それでは!