
今回紹介するのは「レガリア The Three Sacred Stars」です。登坂晋監督がアクタスにて制作したファンタジーロボット作品です。
今から12年前。「リムガルド王国」で後に「リムガルド・フォール」と名付けられた事件が発生。
世界各国から救助隊が派遣されますが、到着した彼らが見た物は動くもののいない無人の街でした。
時は流れ、現在。「エナストリア皇国」に住む「ユイ」と「レナ」の二人の少女は同じ家で暮らしながら平穏な日常生活を送っていました。
ある日、「ケイ」という少女を見かけたレナは埠頭に呼び出され、彼女の使いとして現れた男に勝負を挑まれます。
男は「レガリア・ギア」と呼ばれるロボットに搭乗し、レナも自分の姿をロボットに変身させます。
レナの正体は人間ではなく、「アレクト」という名前の「レガリア」のコアでした。しかし、レガリアはボロボロの姿のため、レナは男が操るレガリア・ギアに大苦戦。そこに彼女を探してその場にユイが現れます。
レナは仕方なく、ユイを搭乗させますが、アレクトはユイが乗った途端に修復されて真価を発揮。アレクトは怒涛の反撃で勝利します。
騒動終結後、エナストリア国民の前で記者会見を開いたユイ。彼女の本名は「ユインシエル・アステリア」。
エナストリア皇国の若き女皇と彼女が守りたいと願う少女「レナ・アステリア」。二人の物語が動き始めます。
本作は4話まで放送した後、「既に放送、配信している話数において、本来意図していたクオリティと相違がある事を強く認識した」とスタッフ側から発信され、1話から作り直して放送し直すという作品外でトラブルが発生した作品。
主演の本渡楓さんも「本渡上陸作戦」というラジオで悲鳴を上げた事もあったり、同じく声優のエヴァンゲリオンの碇シンジ役などで知られる緒方恵美さんからレガリアラジオ内で辛口のコメントを受けたりした作品でもあります。
そんな経緯のある作品ではありますが、かと言って見てはいけない作品という事はありません。
今作は今や数少ない手描きのロボットアニメでよく動いています。しかも魔法で動くロボットも少ないので珍しいです。
ユイとレナの姉妹仲などの女の子同士のやり取りは評価されており、うまくいかず、スポンサーらに迷惑は掛けたものの、作り直そうという気概は買いたい作品です。
レガリアとは元々1万年程前に古代人達が自らの発展のために「異界の力(ルクス)」を利用しようと作り出したロボットです。
動かすには「コア」と「契約者」の二人が必要です。アレクトの場合はコアがレナで、ユイが契約者です。
コアとなった人間はルクスの力が宿り、不老となります。そのため、レナはずっと子供の姿のままです。
不老ではあるものの、不死ではないため、コアも契約者もレガリアに乗り続けると生命力を吸われて死に至るという危険なロボットでもあります。
本作に登場するレガリアはユイとレナが乗る格闘戦特化のアレクトの他にも二体出て来ます。
世界を旅している契約者「サラ・クレイス」とコア「ティア・クレイス」が乗る、刃物系の武器を多く持つ「ティシス」。
元リムガルド王国の第一王女である契約者「イングリッド・ティエスト」とコア「ケイ・ティエスト」が乗る、射撃特化の「メガエラ」
が存在します。
ユイは幼き頃に両親を早くに亡くし、姉代わりのレナと共に暮らすエナストリア皇国の若き女皇。
幼いながらもすぐに即位し、国を統治する以外にもあくまで形式上ではありますが、軍の指揮権も持ち合わせている女皇でもあります。
本人の希望で制服を着て一般の学校にも通っていて、勉学を疎かにせず、自らの目で国の民たちの暮らしを見守る優しさと芯の強さを兼ね備えた女皇でもあります。
エナストリア皇国の特徴はそこに住む民たちの民度の高さにあります。
ユイの周りにいる最高意思決定機関たちも信頼に置ける頼もしき忠臣たちが揃っています。
ユイが落ち込んだ時は忠臣も民たちも気兼ねなく励ましてくれる、リムガルド・フォールの影響を受けながらも逞しく生きる温かな国です。
レナはとある出来事でユイの母に養子として迎え入れた、外見は9歳児の大人しい性格の皇位継承権を持たない皇女。
幼き頃に両親を亡くしたユイを血の繋がりななくても、例え背をユイに抜かれたとしても、ずっと姉として支え続ける心根の強さを持った皇女です。
元リムガルド王国の第一王女であるイングリッドは目的は不明で12年前から容姿が変わっていない、ユイと敵対する謎の女性。
彼女はコアのケイと謎の少年「ヨハン」と協力してユイと接触し、アレクト(レナ)の譲渡を要求してきます。拒むユイに対し、彼女はリムガルド・フォールの真実を語り始めるのです。
リムガルド・フォール周りの設定は凝っていて、緒方さんもレガリアのラジオで褒めていました。
しかし、その深い設定が台本に書かれると表層部分の台詞をずっと追っているような感じになってしまっていて勿体ない、とも語っていました。
何百年も生きている人物のはずなのにキャラクターの見かけの年齢の台詞になっていて、長く生きてきて精神的に老成しているはずなのにそれが台詞からは感じられず、絵と自分のイメージしている内面との差異を感じてしまって演技しづらかった、とコメントを残しています。
かなり鋭い突っ込みで、これを堂々と言えてしまう緒方さんも肝が据わっていてベテラン声優の貫禄を感じさせます。
辛口のコメントとは言っても、これは作品を思ってのためになる発言です。当人たちではなく、創作を目指す者にとっても参考になる貴重な意見です。
創作に携わる者にとってはこれはむしろ、今後のステップアップに繋がる要素を与えられたようなもので、むしろ誉れだと筆者は思います。
リムガルド・フォールの真実とこの戦いに暗躍する黒幕の正体。気になった方は是非見てみて下さい。それでは!