
今回再紹介するのは「スパイラル・アライヴ」です。月刊少年ガンガンにて連載していた「スパイラル〜推理の絆〜」の前日譚を描いた作品で、今年で連載から25周年を迎えます。
運命がある故に願いは生まれ、人は生きる故に運命と対峙する。
その心の深淵にも影を落とす強い呪縛に全ての人は無抵抗にさえ見える…。
高校二年生の少女「関口伊万里」はある日、自分の万全なコンディションを確認し、同じ学校の「沢村史郎」に告白しようとしますが、彼は突然退学してしまいます。
俺は「鳴海清隆」を目指す。だから、近い内に俺は破滅すると思う、と先生に言い残し、沢村は去っていきました。
意気消沈する伊万里を見守る友達の「萌黄」と「茜」。
そこから更に沢村の恋人「雨苗雪音」も続けて退学。二人は恋仲な上にしかも駆け落ちしやがったな!と誤解した伊万里は沢村を捜しに突っ走ってしまいます。
そうして、伊万里たちは「オルゴール連続殺人事件」に巻き込まれる事になってしまいます。
一方、オルゴール連続殺人事件の謎を追うために「ブレードチルドレン」の一人「浅月香介」がイギリスから日本に一時帰国。
そこで同じくブレードチルドレンである「竹内理緒」と「高町亮子」も巻き込む形となり、事件は大きく動き出します。
今作は本編であるスパイラル〜推理の絆〜と同時期に連載していたのですが、1巻分の内容で一旦連載をストップ。
それから5年後、原作が最終回を迎えてからスパイラル・アライヴは連載を再開しました。
最初は伊万里が主人公だったのですが、連載再開時には原作キャラである浅月香介をもう一人の主人公に配置し、浅月の視点でお話を改めて整理しました。
他にも原作キャラが全員登場するという賑やかな前日譚となって帰って来ました。
オルゴール連続殺人事件とは十四〜十五歳の男女が立て続けに殺されて、現場にいつも何かわからない曲の入ったオルゴールが一つだけ置いてある、という奇妙な事件。
被害者は六人おり、全員が呪われた子供「ブレード・チルドレン」。
国の最高機密であるブレード・チルドレンが関わっている以上、警察に犯人の動機が掴めるはずがなく、捜査も進まず、マスコミも真相には至れませんでした。例え、至れたとしてもその情報は握り潰されてしまいます。
ところが、ある日犯人はあっさり逮捕されました。犯人は一連の犯行を認め、事件は急に終結しました。
捕まった犯人は未成年なので、前述のような動機・捜査・マスコミも犯人が捕まったとしてもろくに情報を表に出せず、この事件は忘れられていきました。
犯人の名は雨苗雪音、十六歳。
彼女は未成年なのを配慮して、という名目で身柄は捜査一課からすぐに取り上げられて特別扱いとなり、一部関係者しか雨苗と接触できないという対応がされました。
警視庁の警部、鳴海清隆は雨苗は真犯人ではなく、捕まったのには別の狙いがあり、予め自分が捕まるように仕組んでいたのではないか?と推理。
この事件にはブレード・チルドレンにとって厄介な陰謀があるに違いないと考えた清隆はブレード・チルドレンの浅月と亮子にこの事件の裏を探るように依頼します。
沢村は鳴海清隆を目指す探偵志望の少年で爽やかな優男。
捕まった雨苗の彼氏であり、沢村が事実上、警察に雨苗を捕まえさせました。
きっかけは雨苗が伊万里に、沢村に渡して欲しいと頼んだオルゴールでした。
そのオルゴールは殺人現場に置かれていたオルゴールと曲も形状も同じで雨苗が事件が起こる前から持っていたのが明らかになり、証言も取れて現物も押収されたので雨苗を逮捕まで持っていけた訳です。
伊万里は底抜けに明るい破天荒な娘。
沢村に惚れていますが全く相手にされず、彼の彼女である雪音を恋敵と呪っている愉快な少女。
しかし、伊万里だけが雨苗の無実を主張しています。
彼氏が彼女を警察に売って助けようという動きを見せず、逆に恋敵が雨苗の無実を主張するというあべこべな状況になってしまったのです。
もう一人の主人公となった浅月は本編の主人公・「鳴海歩(あゆむ)」と関わるブレード・チルドレンの一人。
本編だと主に貧乏くじを引くやられ役な感じな彼なのですが、前日譚だと知能指数が上がって推理力で活躍を見せます。
幼馴染の亮子とはケンカばかりする仲のように見えますが、実は亮子をブレード・チルドレン狩りのハンターたちから守れるような強さを得たい、と思う程大切に思っており、強くなるために敢えて距離を取ってイギリスに行っていました。
逆に亮子も浅月を守りたいと思っているのですが、浅月に距離を取られた理由がわからずに気にしていたりとすれ違いを起こしてしまっています。
サイドストーリーでも「論理の旋律は必ず真実を奏でる」。気になった方は是非読んでみて下さい。それでは!