星川レオの作品研究・紹介室

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遊☆戯☆王

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 今回紹介するのは「遊☆戯☆王」です。高橋和樹先生が長期に渡り連載していたジャンプの人気看板漫画の一つです。

 

 ゲームの歴史。それは遥か五千年の昔。古代エジプトまで遡るという。

 古代におけるゲームは人間や王の未来を予言し、運命を決める魔術的な儀式であった。それらは「闇のゲーム」と呼ばれていた。

 いじめらっれっ子だった高校生「武藤遊戯」。

 実家が「亀のゲーム屋」で祖父の「武藤双六」と母と共に暮らしているゲーム好きの優しい少年。

 ある日、「千年パズル」を解いた事から遊戯はもう一つの人格を得てしまい、闇のゲームを受け継いで悪を裁く正義の番人となります。

 やがて、遊戯は他の「千年アイテム」を持つ者たちと関わっていき、もう一人の自分や親友である「城之内克也」「真崎杏子」「本田ヒロト」と共に数々の困難を乗り越えていきます。

 

 今作は初期では色んなゲームや流行り物を取り扱って、それを悪用する輩を闇遊戯が罰していく、というお話でした。

 その多くのゲームを取り扱う中で特に人気が出たのが「M&W(マジック&ウィザース)」というカードゲーム。

 元々はカードゲームをパロディした単発回だったのですが、後に路線変更でカードゲームがメインとなり、「ペガサス島編」や「バトルシティ編」と続いて行きました。

 それでも高橋先生はチャレンジ精神のある方で、ペガサス島編の後にコレクションフィギュアバトル「DDD(ドラゴンダイスダンジョン)編」やバトルシティ編の後に闇遊戯の生前の記憶をメインとした「ファラオの記憶編」とカードゲームがメインではない長編にも挑戦していました。

 

 遊戯王は「友情」「愛」「死」「自立」で構成された物語であり、また全体を通して色んな形の「パズル」が描かれている物語でもあります。

 この世界に生きる人たちはそれぞれ能力に差や個性はありますが、全てが完璧な人間など存在しません。

 この世界は弱い人間たちが互いに支え合って生きていて、人間たちは「パズルのピース」のようにそれぞれが合わさって形を作り、今を懸命に生きている。

 闇遊戯も強くはありますが、その強さは表の遊戯や城之内たちとの友情、「結束の力」があってこそ。

 ライバルの「海馬瀬人」も弟の「モクバ」や海馬コーポレーションの社員たち。関係がうまく行かなかった、忌々しい記憶だとしても父親の「海馬剛三郎」たちも間違いなく海馬の「果てしなく続く戦いのロード」を形成するために必要なピースの一つ。

 そうやって過去や現在のパズルのピースを自分なりにかき集めて行って、自分だけのオンリーワン「未来」を見つけ出す。

 人にはそれぞれ何か自分だけの、誰にも負けない自分を持っているはず。それを完成させるために必要なパズルのピースを、自分だけの人生の中で見つけていって欲しい、そんな思いが遊戯王には込められています。

 

 そのオンリーワンを見つける際に時には躓いて、負けてしまう時もあります。しかし、負けてもそこで落ち込む必要はありません。

 人は負けた数だけ強くなっていく。負けには必ず意味があって、それで得られるものはかなり大きい。負けた原因を自分で考えられる人は成功するはず。

 負けとは次を探すためのステップ、またはそこで勝つための試練。負けを恐れずにそれを糧にできる事こそが本当の強さなのです。

 高橋先生はこの姿勢はどちらかと言うと闇遊戯ではなく、城之内に当てはまると言っていました。

 城之内はお調子者だったり、義理や人情を重んじていて、素直な心の持ち主なので人をすぐに信じてしまったりで敵の策略にまんまと引っ掛かってしまう事が多く、何度も負けかけそうになります。

 時には「真紅目の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)」を奪われて守れなかった事もありました。

 しかし、城之内にはちょっとやそっと負けたぐらいじゃ諦めない地力の強さがあります。

 逆に闇遊戯は勝率が良くて、あまり負ける事はありません。それ故に前述のような負けた際に得られる経験が乏しい。

 高橋先生にとっては闇遊戯は作中ヒーロー的には描いてはいますが、それと同時にもの凄く弱い部分も持っている。

 表遊戯や城之内たちの心根の強い部分が闇遊戯という一つのピースを支えているといっても過言ではない、と仰っていました。

 

 遊戯王という作品自体は長期の週刊連載故に、矛盾点やらご都合主義的な部分は多々あるものの、そんなメッセージが込められた作品となっています。

 

 全38巻の内容は一つの記事じゃ語り足りないですね。今後、長編毎にまた改めて記事を書く事も考案してみます。気になった方は是非読んでみて下さい。それでは!