
今回紹介するのは「機動戦士クロスボーンガンダム スカルハート」です。機動戦士クロスボーンガンダムの後日談を描いた短編作品集です。
前作はこちら
私は今、これまで執筆してきた「木星戦役とクロスボーン・バンガード」の記録に「スカルハート」の物語を書き足そうと思います…。
宇宙世紀0133年。総統「クラックス・ドゥガチ」に率いられた「木星帝国」は地球圏の支配を目論み侵攻を開始。この戦いの終結の影には「クロスボーン・バンガード」の人知れぬ尽力があったのです。
そして戦役後、海賊軍のリーダーであった「ベラ・ロナ」と「キンケドゥ・ナウ」は平穏な世界へと帰って行きました。
でも、かつてのメンバーだった幾人かは今もこの宇宙を駆け抜けている…。これはそんな人たちの物語。
これらの記録は今はまだ発表する予定がある訳ではありません。彼らの多くはその成した事と裏腹に逆賊として連邦に追求される身であるから…。でも、語らなければ記憶は失われてしまうものだから、いつの日か公にできる事を信じて…。
また前回、木星戦役に直接関係ない事として省略した私自身とクロスボーン軍の出会いも公正を期す為、加筆しておこうと思います。
私の名は「トゥインク・ステラ・ラベラドゥ」。クロスボーン・バンガードに関わった一人です。
この広い広い宇宙の中で私はいつも独りきりで…。お話の本を二つきりしか持っていなかったのであまり多くの事を知らなかったのです。だから、初めてそれがやって来た時、私はこう思ったのです。ティンカーベルが来たって…。ティンカーベルがフック船長を乗せて来たって…。
前作は富野由悠季監督が関わっていたのですが、今作以降のクロスボーンガンダムシリーズは長谷川裕一先生だけで描いていく事になります。
今後のクロスボーンガンダムの主演は長谷川先生のキャラである主人公トビアであり、本編から借りたキャラクターであるシーブック・アノーやセシリー・フェアチャイルドは富野さんが去ると共に返却した、という形式となっています(シーブックとセシリーは完全にもう出ないという訳ではなく、記念回などでちょくちょく出番はあります)。
今作は短編集となっていて、クロスボーン・バンガードの古株である「ウモン爺さん」の一年戦争時代を描く「バカがボオルでやってくる!」。
クロスボーン本編の外伝。トビアが不思議な少女トゥインク・ステラ・ラベラドゥと出会う「星の王女様」。
本編の後日談でその後のトビアたちを描く「海賊の宝」。
偶然生まれてしまったアムロ・レイの戦闘データを完全に理解したモビルスーツ「アマクサ」と戦う「最終兵士」。
そして、猿のニュータイプと戦う事になる「猿の衛星」。
の六編で構成されています。
トビアはキンケドゥから託された「クロスボーンガンダムX1改」を「クロスボーンガンダムX1改・改 スカルハート」に改良。どうしても合法的には解決できない問題を解決する際はスカルハートに乗って、海賊として事態を治めに行きます。
本巻のメインとなるのは最終兵士編となっています。
普段、表向きは「ブラックロー運送」という配達屋をして暮らしているトビアたちの前に木星爺さんを名乗る「グレイ・ストーク」が依頼を頼みに来ます。
その人は「とあるガンダムの主人公」に似ています。彼の乗っているオンボロの大型モビルスーツ「ガンプ」も彼のかつての乗機の面影があります。
彼は「攫われたアムロ・レイを奪還して欲しい」とトビアに頼みます。
木星の生き残りはアムロ・レイが乗っていたコアファイターの戦闘記録、学習型コンピュータに刻まれた戦闘データを盗み出しました。
しかし、このデータだけでは大して役に立ちません。木星の生き残りはかつて、クラックス・ドゥガチが「バイオ脳」を用いて自分のコピーを作ったようにアムロ・レイのコピーを作ろうと企んだのです。
バイオ脳は作られた直後はまっさらな赤ん坊の脳と同じ状態。そこにアムロ・レイの戦闘データを使って、木星の生き残りは戦闘シミュレーションを行っていました。
何百、何千と失敗する中でたった一つだけ、アムロと完全に同じ戦闘データを覚えた人工知能が誕生しました。それがアマクサです。
その完全にアムロをコピーできたアマクサを量産されたら大変な事になるため、トビアたちはクロスボーンガンダムを駆り、食い止めに行きます。
果たして、トビアたちはどうやって伝説のニュータイプのコピーを対処するのか?また、アムロのコピーと言っても、どこからどこまでが「力」で、どこから先が「気持ち」なのかの区分についてを考えさせられる内容となっています。
このように他の短編たちも見どころ満載の内容となっています。気になった方は是非本編と一緒に読んでみて下さい。それでは!