
今回紹介するのは「機動警察パトレイバー ON TELEVISION」です。ゆうきまさみ、出渕裕、伊藤和典、高田明美、押井守の5人のクリエイターで結成されたユニットチーム「ヘッドギア」を原作としたメディアミックス作品、その内のTVアニメーション作品です。
「ハイパーテクノロジーの急速な発展と共にあらゆる分野に進出した汎用人間型作業機械「レイバー」。しかし、それはレイバー犯罪と呼ばれる新たな社会的脅威をも生み出す事になった…。続発するレイバー犯罪に警視庁は本庁警備部内に「特殊車両2課」を創設してこれに対抗した。通称特車2課パトロールレイバー中隊「パトレイバー」の誕生である。」
特殊車両二課では精鋭揃いの「第1小隊」に比べて、問題児の集まりである「第2小隊」。第2小隊は人員不足に加えて、第1小隊からのお下がりである旧式「アスカ96MPL」で事件に対応するという有様でした。
作業用レイバー「ブルドッグ」を操り、暴れている輩がいるという通報を受けて「太田」巡査の乗る機体が出動。何とか取り押さえますが、太田機自体も深刻な損傷を受けてしまいます。進歩する技術によって生み出される新型レイバーに旧式レイバーで挑むのは既に限界でした。
太田と「遊馬(あすま)」は篠原重工の八王子工場へ壊れた機体を搬入し、修理に付き添います。ですが、そんな二人に工場長の「実山」は第2小隊に念願の新型レイバーの導入が正式決定したので修理は無駄になるかもしれないと教えて来ます。
太田と遊馬はその新型レイバー「イングラム」を見に行く途中で若い婦警「野明(のあ)」と出会います。野明と会話をして別れた後、遊馬たちの目の前で「イングラム」がトレーラーごと盗まれてしまいます。周囲の騒ぎから盗難を知る野明。特車隊の隊員になってレイバーに乗る事が夢の彼女は新型機を奪った犯人が許せず、単独で犯人の追跡を行います。そうして野明は「イングラム」のコクピットに乗り込み、システムを起動させてしまうのです。
パトレイバーは主に1話完結で話が描かれていて、様々な事件現場に向かい、これを解決する、というのが基本となっています。
他にはパトレイバーには乗らずに描かれる日常回や、漫画原作の謎の飛行するレイバー「グリフォン」に関係する長編などで構成されています。
警察ものであり、ロボットものでもあって、仕事がない非番の時にはキャラクターの掘り下げを行う警官の日常ものでもあるという芸が豊富な作品となっています。
パトレイバーはロボットバトルがメインではなく、人命救助や災害対処がメインとなる作風です。なのでパトレイバーの武装も拳銃や警棒、ワイヤーなど、あくまで必要最低限の武装に留まっています。
作中でも描かれますが、野明たちは軍人ではなく、あくまで警官であるため、その範疇を越えないように振る舞いながら仕事をこなして、事件を解決していきます。警察官という職業ものとしての側面が強く描写されているのです。
彼らにとってレイバーは戦うための兵器・武器ではなく、治安を守るための日常の一部という事です。
ただ、野明は自分の愛機のイングラム1号機に「アルフォンス」と自分の飼っていたペットの名前をつけていたり、機体の損傷を過度に嫌っていたりとレイバーにかなり強い愛着を持っています。ですが、アルフォンスもいずれは旧式となり、アスカ96MPLのようにお役御免となる時は必ず訪れてしまいます。物に、特に機械関連に愛着を持つ事は難しい事だと考えさせられますね。
第2小隊の面々は実動隊も整備班も皆、個性が強く、生き生きとしたメンバーが揃っています。野明、遊馬、太田、香貫花(かぬか)、進士(しんし)さん、ひろみ、彼らをまとめる後藤隊長と個人としての能力は決して低くはないのですが、些細な事で揉めたりして、それで周りに無用な被害が発生するのが第2小隊の悪評の原因です。
ですが、ここぞという時の団結力はピカイチで、第1小隊のように余裕を持って事件に当たるのもいいのですが、もう後がないと思いながらも懸命にどんな事件にでも全力で当たる第2のやり方もそれもまた、警察としての在り方としてはかっこいいな、と筆者は思いますね。
今後も続いていくパトレイバーシリーズの入り口の一つ。気になった方は是非見てみて下さい。それでは!