星川レオの作品研究・紹介室

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

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 今回紹介するのは「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」です。火星に住む貧しい少年たちが決して散らない鉄の華「鉄華団」を結成し、掲げたアガリを目指して奮闘する物語。今年で放送10周年を迎えます。

 

 かつて、「厄災戦」と呼ばれる大きな戦争がありました。

 その戦争が終結して約300年、治安維持組織「ギャラホルン」が平和を維持していました。

 地球圏はそれまでの統治機構を失い、新しい支配体系をもって新たな世界が構築されていました。

 仮初めの平和が訪れる一方で地球から離れた火星圏では新たな戦いの火種が生まれつつありました。

 「三日月・オーガス」が所属する民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」は地球の一勢力の統治下にある火星都市「クリュセ」を独立させようとする少女「クーデリア・藍那・バーンスタイン」の護衛任務を受けます。

 しかし、反乱の芽を摘み取ろうとする武力組織ギャラルホルンの襲撃を受けたCGSは三日月ら、子供たちを囮にして撤退を始めてしまいます。

 少年たちのリーダー「オルガ・イツカ」はこれを機に自分たちを虐げてきた大人たちに反旗を翻してクーデターを試みます。
 オルガにギャラルホルンの撃退を託された三日月はCGSの動力炉として使用されていた厄祭戦時代のモビルスーツガンダムバルバトス」に乗り、ギャラルホルンとの戦いに臨みます。

 

 鉄血のオルフェンズは分割2クールで一期が「繁栄」を描き、二期が「衰退」を描いています。

 宇宙を舞台にしたヤクザもののような作風で、台詞回しや「テイワズ」周りの設定も汚いところがあったり、モビルスーツの戦闘以外でキャラクターが死ぬ事が多かったりと、見る人を選ぶ作品となっています。

 作品全体としては「出過ぎた杭は打たれる」を描いた作品だと思います。

 

 鉄血に出てくるガンダムフレームたちはバルバトスやグシオン、フラウロス、キマリスなど「ソロモン七十二柱」の悪魔たちをモチーフにしています。

 どれも300年前の機体で性能的には現代のモビルスーツたちの方が上であり、現代で使うには近代化改修の必要があるガンダムたちです。

 しかし、「阿頼耶識システム」を使えるパイロットが乗るのなら話は別です。

 阿頼耶識システムとはパイロットに人体改造を施し、背中の皮膚に直接小さな筒をつけ、それをコクピットシートに直接繋いで動かす事ができるシステム。これによって、モビルスーツが獣のような激しい動きをする事などができるようになります。

 しかし、改造手術を受けたからといって、必ず成功するとは限りません。下手したら、失敗して身体がまともに動かなくなる事もあります。最悪の場合は死に至ります。

 主に改造されるのは「スペースデブリ」と呼ばれる親のいない貧しい子供たちです。大人が阿頼耶識システムの手術をしたら高確率で死に至ります。

 鉄華団には阿頼耶識持ちが多くいますが、あっても筒は一つ。例外としては「昭弘(あきひろ)・アルトランド」は二つ、本作の主人公・三日月は三つ阿頼耶識の筒が背中についています。

 

 三日月は寡黙で感情表現が乏しい少年。仲間思いではありますが、口は悪いので本人的には励ましているつもりが、逆に傷つけてしまって誤解される事も。

 主体性がなく、「オルガ、次はどうすればいい?」が口癖になっています。

 オルガとは幼馴染のような関係でオルガが過去に自分に見せてくれると約束した「ここじゃないどっか」。

 それを見る前に、オルガの道を阻む者がいたら例えこの身が朽ち果てようとも、どんな敵であろうともオルガのためだったら何だってやってやる、という強い忠誠心のようなものを持っています。

 モビルスーツ乗りとしての腕前もメンバー1で人を殺す事にも躊躇いはありません。敵に人殺しを楽しんでいる、と指摘されても気にしない程です。

 オルガの事しか頭にない戦闘マシーンのような彼ですが、畑を耕す事に興味があったり、クーデリアの影響で勉強や言葉についても興味を持ったりと探究心もある少年でもあります。

 

 オルガは鉄華団の団長。一期の頃はそうでもなかったのですが、二期のとある展開で爆発的なネタ人気を獲得したキャラクターでもあります。NHKガンダム総選挙じゃキャラクター部門1位になってしまった程です。

 「それじゃ筋が通らねぇ」と筋にかなり拘りを持った鉄華団の兄貴分であり、鉄華団の中でもかなりの信頼を置かれている人物です。

 オルガは三日月の「次は何を見せてくれるんだ?」という視線を常に恐れていて、それ故に無茶をやり、強迫観念で三日月の兄貴分をやっている所があります。この部分は仲間である「ビスケット・グリフォン」にも作中で指摘された事もあります。

 オルガはとある展開で挫折してしまうのですが、そこを三日月に無理矢理蹴り上げられ、心の整理がつかないままヤケになって立ち上がる事になってしまいます。ここが今後の物語の分水嶺となっています。

 

 ギャラルホルンの特務三佐「ガエリオ・ボードウィン」。乗騎は「ガンダム・キマリス」。

 彼は普段は軽いノリではあるものの、ボードウィン家に生まれた者としての強い誇りがあり、また正義感も強い人物。

 初期の方はそうでもないのですが、物語が進む度に彼のヒロイックさが増していき、友である「マクギリス・ファリド」との因縁も形成されていって、段々と三日月を食ってしまう程の主人公みたいになっていきます。

 

 ブレーキが利かないオルガたちの向かう先にあるものとは?気になった方は是非見てみて下さい。それでは!